アルミニウムの金属組織作製

下記は、一般的な金属組織学的試験用にアルミニウムを試料作製するための当社の推奨事項です。アルミニウムを作製するための4段階および5段階の両方の手法とともに試料作製および試験時のいくつかの役に立つヒントが記載されています。

Figure 6.1. Dendritic segregation in as cast 206 aluminum revealed by color etching with Wecks reagent (polarized light, 200X)

エッチング

アルミニウムは、柔らかく延性のある金属です。変形によって引き起こされた損傷は、より純粋な組成における典型的な試料作製の問題です。試料作製後、表面はエッチングを難しくする目の詰まった保護酸化物の層を形成します。商用グレードのアルミニウムには、様々な組成の多くの離散金属間粒子が含まれます。これらの金属間粒子の多くは、エッチングの際マトリックスより先に反応します。これらのエッチングが長年使用されてきましたが、この手順には注意深い制御が必要です。今日では、エネルギー分散解析が、信頼性が高いため相同定のために一般的に行われてます。

アルミニウム合金についての5つおよび4つの試料作成工程が表6.1および6.2、さらに期待される結果が図6.1に示されています。酸化マグネシウムがアルミニウムおよびその合金の推奨の最終研磨剤であった一方で、使用が困難な研磨剤であり、非常に細かいサイズのものは入手できません。砥粒サイズがより細かいコロイドシリカが最終段階の推奨研磨剤として酸化マグネシウムに取って代わりました。

カラーエッチング作業、および最も困難なグレードのアルミニウムについては、すべての損傷や傷の痕跡を完全に除去するために短時間の振動研磨が必要な場合があります。5段階の工程が、超純 (SP) および工業用純 (CP) アルミニウム、さらに作製が困難な鍛造合金について推奨されます。

Figure 6.1 Aluminum Metallographic Specimen Preparation and Testing

研削・研磨

Deformed Aluminum

面出しには、Grit240 [P280] または Grit320 [P400] SiC 耐水紙のいずれかを使用することもできます。UltraPolクロスの方がUltraPadクロスよりも表面の仕上げが良好な状態になりますが、UltraPadクロスの方が耐用年数が長くなります。エッジの保持が重要な場合、ChemoMetクロスを推奨します。

純アルミニウムといくつかの合金は、特にサスペンションを使用した場合、細かいダイヤモンド研磨剤の粒子が刺さりやすくなっています。刺さってしまった場合、ペースト状のダイヤモンドに変更してください。刺さりが発生する可能性がはるかに低くなります。

これは一般的には必要ありませんが、スクラッチ制御を向上させるためにSPおよびCPアルミニウムに短時間の振動研磨(最後の手順と同じ製品)を行うことができます。MasterPrepアルミナサスペンションは、アルミニウム合金の仕上げ用研磨剤として非常に効果があることが判明しましたが、焼成工程によって作成された標準のアルミナ研磨剤はアルミニウムには適していません。

コロイドシリカを使用した最終ステップで合成の無起毛バフを使用する場合があり、小さな起毛バフまたは中程度の起毛バフよりもレリーフ発生が少ないものの、細かい研磨時の傷についても除去できない場合があります。

純度の高いアルミニウム合金については、細かい研磨傷がまったくないものを作製することが非常に困難であるため、この手順の次に振動研磨を行って表面仕上げを改善することができます。

Figure 6.2 Aluminum Metallographic Specimen Preparation and Testing

アルミニウムのための役立つヒント

純度の低い多くのアルミニウム合金試料は、標準の方法では完璧な仕上げになるまで研磨することは困難です。振動研磨機は、陽極酸化処理、カラーエッチング、偏光またはNomarski DICで検査する目的で変形や傷のない表面を実現するためにMasterMetコロイダルシリカとともに非常に効率よく使用することができます。

アルミニウムおよびその他の金属の金属組織試料作製についての詳細は、Buehler SumMet ガイドを参照してください。

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